つぎがみえてきた

先日、久しぶりに利用者のみんなとお弁当の製造を一緒におこないました。
おもえばポレポレが今のかたち、就労Bになって10年以上。
始めた頃は、盛付けがおわらずてんやわんやになりながら
配達ぎりぎりまでお弁当をつくっていたなと、ことあるたびに思い出します。どちらかといえば、職員がつくっている弁当。それが年月がたってみると、利用者のおしごとへと変化していきました。


今では、職員の手をかりることなく、利用者がてきぱきと動き、
自発的に作業をおこなっている場面がほんとうに増えてきたと
今の利用者のみなさんをみていると感慨深く思います。



そんなことを思いながら、利用者のみなさんの動きをみていました。
担当している作業は、ごはんの計量です。
片手で、お釜にはいったごはんをしゃもじですくい、
秤にのったお皿の上にごはんをうつし、のせています。
確かに自立して、決められた200gをはかり、
容器に移すこともできています。

しかし、よくよくみていると動いている手は片手のみで、
もう片方は、何もうごかさず遊んでいるか、時にはテーブルに手をつき、もたれるようにしているようにみえます。


ゆっくりでもいいから、自分でできることを大切にかかわろう。
そして、できたという実感をもち、自信をつける。
そうやって、あたたかく見守り、力をつけてきた。はず。


でも、もう充分習得して、できるようになっている今。
あきらかにペースがゆっくりすぎるなあ。そう思いました。
もう次のステップが見えていると。


そこで、声をかけ、秤にのっているお皿を片方の手でもつこと
片方の手でごはんのおおよその重さをおぼえていくこと
たびたび秤にごはんをのせるよりも秤が揺れないので効率的であること
など伝えて、試してもらいました。
思っていた以上に、上手にできるではありませんか。
左右の手に違う役割をもたせ、動作をとりいれることは、リハビリテーション的な面からもよいこととされています。


日々の作業の中で、できるようになったからとか
まかせられるようになったとか。
それでよしとしていたのかもしれません。

実は、さらにその上がある。そういったことに気づき、
一段階あがったしごとぶりとしてできるようになるための、
工夫やコツを我々スタッフが伝え、やってみせる、
あるいはやりかたをわかりやすく示す。


現状に満足せず、もっとできるようになる。次がある。
そう思って観つづけることが大切なのだと思います。
利用者の成長は、一方では職員の成長でもあるのかもしれません。
利用者がさまざまなことを教えてくれるのです。
もっとみんなの動きをみてあげなくてはと反省した一日でした。

川上